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●ベネフィキウム

アジア イラン・イスラム共和国 AD 

 中世西欧の封建制度において,主君が家臣に授与した封土(ほうど),または封土授与制度。恩貸地(制)ともいう。ベネフィキウムは,もともと贈与形式を示すことばで,金銭・用益権・土地の貸与など広く含み,被贈与者も聖職者・婦人・不自由民であり得た。土地貸与の場合,定期借地形成から終身,そして世襲へと変化した。地代は比較的軽微か無料で,それゆえ恩貸と呼ばれた。やがて主君は土地を貸与することで家臣に一定の奉仕を求めるようになる。その奉仕の中核が軍役奉仕であり,こうした恩貸地制とヴァザリテート主従制・家臣制)とが結合して,西欧封建制を形成していった。恩貸地制と軍役義務との結合の契機を,イスラム教徒の攻撃に対処するためのカール=マルテルによる教会領没収と土地授与による軍役賦課に求める通説に対しては,より長期の歴史的過程に,また分立自衛する城主間の主従契約締結過程に求める見解もある。