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●ヘシオドス

ヨーロッパ ギリシャ共和国 BC700 

 前700年ごろの中部ギリシアのボイオティアの叙事詩人。生没年ともに不詳。父は小アジアのキュメで商業を営んだが成功せず,ボイオティアに帰ってアスクラの村で小土地所有者になったようである。父の死後,遺産をめぐって兄弟ぺルセスと争った。有名な『労働と日々』は,不正に遺産を奪ったペルセスに対する忠告と労働の勧めを著作の動機としている。この叙事詩によれば,すでに詩人としての彼の名声は高く,アンフィダマスが父の葬儀の際に行った詩の競作で優勝している。彼の作品中,現在残っているのは『労働と日々』と『神統譜』の2篇のみである。前者においては,ヘシオドスは怠堕に対する労働・勤勉の尊さをうたい,おもに農業を行う場合の諸々の注意事項をこまごまとうたって,多分に迷信・俗説に立ち入る場合もあるが,貴族政時代の独立した小農民の状態を伝えている。強い鷹と弱い夜鶯のたとえのように,貴族の横暴に対する悲観的な現実観が強いが,ゼウスを正義の神とみたてている。『神統譜』は神々に関するホメロスの扱いとは異なって,神々の誕生,その相互の関係をうたっている。彼は本質的に小土地所有農民であり,その立場から神々の正義を信ずることによって社会批判を行っている。ヘシオドスの作品は,その文学的価値はともかくとして,そのような方向で評価される傾向にある。