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●ベグ

アジア トルコ共和国 AD 

 「首長」「支配者」を意味するトルコ語。地域と時代によりさまざまな用法があり,語形にも bag,bek,bey,bi など多くの変化形があるが,すべて古代トルコ語の bag にさかのぼる。古代トルコ語のべグは,特定の官称号ではなく,一般人民に対して貴族身分の者をさす称号であった。トルコ族のイスラーム化以後は,アラビア語のアミールと同義に用いられ,またスルタン,ハンなどの称号を有する支配者に服属する地方的な支配者もこの称号で呼ばれた。オスマン帝国では,貴族,文武の高級官僚およびその子弟がベイと呼ばれた。人名の後に付する尊称としての用法は,特定の社会階級を超えてトルコ語圏で用いられた。東トルキスタンでは16〜18世紀,beg(伯克)は支配階級の身分を示す称号として用いられたが,清朝は beg にオアシス社会の諸職能を冠して,東トルキスタン統治の官吏として再編成した。その数三十数種で,村荘の大小に応じて配置された。1884年(光緒10),東トルキスタンを直接支配下におく新彊省が成立すると,清朝はベグ制を廃止して,改めて地方行政の末端機構を担うべく郷約制を敷き,beg のなかから適任者を選んであて“伯克の名なくして伯克の実あり”といわれるように,東トルキスタン社会に根をはった beg

の力は1950年代初期の土地改革時期まで存続した。