●碧巖録 へきがんろく
アジア 中華人民共和国 AD
中国,宋代にできた禅の公案集。10巻。正式名称は『仏果圜悟禅師碧巖録』。禅の修行の道標となる禅僧の話を100則に圜悟克勤(1063〜1135)が独特の評釈を付したもの。初め雪竇重顕(980〜1052)が,1700則あった課題のなかから重要と考えられる100則を選び,それぞれに頌(じゅ)という韻文を付した『雪竇頌古百則』を著した。この100則に圜悟が,垂示(内容を総括的に示した批評)と着語(諷刺のある短い評釈)を加えたもの。圜悟の在世中に刊行され,多くの修行者に伝えられたが,圜悟の弟子大慧宗杲(1089〜1163)は,『碧巖録』が,文学的にも優れているために,修行僧が参禅実習をおろそかにして,読みふけってしまうという弊害があらわれてきたので,これを焼きすてたといわれている。元代になってからは,禅宗第1の書ということになり,今日まで,禅宗とくに臨済宗における重要な典籍になっている。碧巖という名は圜悟の居住した室の名。