●平和研究 へいわけんきゅう
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日本国憲法の基本理念の一つは,恒久の平和の希求にある。平和実現への一つの道,それが平和研究である。平和の対概念として戦争をあげることが多い。確かに平和研究の一面は戦争の研究である。戦争をなくすためには,戦争の構造,原因,そこでの惨禍の実態を自覚しなければならない。軍事技術の現実とその意義,とくに現在では核兵器の本質の認識が重要である。しかし戦争否定の視点が直接に平和に結びつくとは限らない。より重要なことは,すべての人にとって真に愛着のもてる社会をつくることである。社会構造的に生きがいのある生活のないところで,自他の生命の尊重,平和が意味をもつはずはない。平和研究の核は,全社会的な種々の差別・貧困・抑圧の構造を解明し,真に人間的な社会への見通しを立てることにある。この意味での平和研究は,多くの分野の総合的協力をまつ,典型的な学際的研究となる。その課題は困難で,現在まだ端緒の段階にある。