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●平治物語 へいじものがたり

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 平治の乱を素材とする軍記物語。『平治記』と題する伝本もある。3巻。原作者については,『保元物語』同様,藤原時長(『醍醐雑妙』),源喩僧正(『旅宿問答』)などとする伝承があり,藤原長方とする考証もあるが,確証はない。姉妹編とされる『保元物語』と同一作者の作か否かも不明。成立年代も未詳。この物語をもとにつくられた『平治物語絵巻』は,鎌倉時代中期の製作と認められ,1297年(永仁5)の序を有する『普通唱導集』『花園天皇宸記』の1321年(元享1)4月16日の条によると,鎌倉時代末期には,琵琶法師の「語り物」として演じられ,享受されていたことがわかる。1159年(平治1)12月の平治の乱について,その原因から待賢門・六波羅の合戦の経過,源義朝ら源氏一門の衰退へと,歴史時間を追って描く。合戦談における悪源太義平の造型が『保元物語』の源為朝の造型に通じるなど,作品の構想の面で,両物語には類似性も多い。異本・流布本もまた多い。