●平家納経 へいけのうきょう
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厳島法華経見返絵経巻ともいい,厳島に伝来する経巻をさす。1164年(長寛2),平家一門が納めた経巻で,法華三部経30巻(法華経28巻,開祖の無量義経,観普賢経各1巻),阿弥陀経,般若心経各1巻とその上に平清盛奉納願文を合わせて33巻からなる。経巻類の料紙は染紙で,表裏は金銀切箔・野毛・砂子をまいており,草花や楽器,葦手を彩色してあしらって摺出した絵模様をかいている。もちろん国宝である。
その表紙や見返しには経意を示す意匠がほどこされ,絵模様がかかれている。軸首には水晶,題簽は青色のガラスでかざり,軸首は螺鈿を用いたものもあり,装飾経では現存するもののなかではそのすばらしさは比類がない。その技巧は頂点に達しており,経巻は二重の金銀荘雲龍文箱に入っている。そして現在は福島正則奉納の蔦蒔絵唐櫃のなかにおさまっている。これは観世音菩薩の化神として厳島大明神を考えたことによるのであろうが,その心意はなかなかわからない。
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