●プロメテウス
ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD
ギリシア神話中のティタン(巨人)神族の一人。イアペトスとクリュメネあるいはアシアあるいはテミスとの子。プロメテウスの名は「先に考える者」を意味する。彼はしばしば神と人間とのあいだに立って人間に利益を与えたので,神々の怨みを買った。神々と人間とが犠牲獣の分け前を相談したとき,彼は,一方は骨とかその他好ましくない部分を脂肪で包み,一方は肉と内臓を皮で包んで選ばせたところ,ゼウスはだまされて前者を選んだ。また,ゼウスが火を奪って人間が困っていたときに,彼はヘファイストスから火を盗んで人間に与えた。このような所行を怒ったゼウスはプロメテウスに対する報復を考え,ヘファイストスに美女パンドラをつくらせて彼に贈った。彼の弟エピメテウス(後で考える者)は兄の忠告を無視して,彼女と結婚した。彼女が天上から持参した壺からはすべての禍が拡散し,“希望”だけが残って,人間のあらゆる災厄が生じた。またプロメテウスは,ゼウスとテティスの子は父よりも偉大になるであろうことを知っていたが,その秘密を知らせなかったので,ゼウスは彼をカウカソス山に縛りつけて,鷲に彼の肝臓を食わせた。しかし肝臓は,夜のうちに再生するが苦痛は絶えなかった。ヘラクレスが彼を解放したといわれる。一説には、秘密をあかして許されたともいう。悲劇詩人アイスキュロスはこの神話を素材にして,『火をもたらすプロメテウス』『縛られたプロメテウス』『解かれたプロメテウス』の3部作をつくった。