50音順    検 索

●プロタゴラス

ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD 

 古代ギリシアの最も高名なソフィストトラキアのアブデラの人。生年は前485年より少し前。70歳で死んだと伝えられる。後半生の40年間はソフィストとして活動,各地に滞在した。アテナイにも数度滞在し,ペリクレスとも親しかった。前444年ペリクレスの指導のもとに行われた,南イタリアのトゥリオイの植民ポリスの建設にあたっては,彼が立法にあたったといわれる。その高名を慕って,アテナイのみならず,各地から聴講者が彼のもとに集まった。初めて自らソフィストと称し,高額の謝礼を要求した人物とされる。彼は徳の教師をもって自ら任じた。その徳とは,ポリスにおいて正義と思慮に優れていると認めさせる力であり,人をして有力な市民たらしめる卓越性である。そのためには人は弁論と問答において優れていなくてはならぬ。彼は弁論術の教師でもあった。彼はいかなる議論にも反対の議論ができるといい,弱論を強弁する術を教えたといわれる。有名な〈尺度は人〉という言葉は,ポリスの定めることや個人の意見が,絶対的な妥当性をもつものでないことを示したものと受け取られた。彼は神の存在についても,懐疑的な意見をもっていた。しかし,彼にはポリスの法律や習俗を,積極的に否定する意図はなかったものと思われる。彼はポリスの往古から今日に至るまでを,進歩向上の過程とみる見方をもっていた。