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●プルタルコスの英雄伝 プルタルコスのえいゆうでん

ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD 

 『対比列伝』とも呼ばれ,ローマ帝政時代の文人で史家のギリシア人プルタルコス(46ごろ〜120ごろ)の代表的著書。彼はボイオティア地方のカイロネイアの富裕な家に生まれ,アテネで教育を受けたあと小アジア・エジプト・ローマでの遊学を終えると,故郷に帰り市政に携わり公職を歴任した。『対比列伝』は晩年のおよそ105〜115年ごろに書かれた。よく似た生涯の有名な軍人や政治家を,原則的にまずギリシア人,ついでローマ人というように並べて描き,最後に比較を付すという形をとっている。現存するのは23組(46人)と4人の単独伝記である。内容は歴史書というより通俗的な読物のたぐいであったが,当時ギリシアの支配者となっていたローマ人にはギリシアの偉大さを,ギリシア人にはローマが未開の蛮人でないことを示そうという著述目的のもと,ギリシア著述家111人,ラテン作家40人と引用文献も多く,そのなかにはすでに散逸したものもあって,史料として貴重なものである。文体も平明で,後世の文学者に大きな影響を与えた。