●プリンキパトゥス
BC27
ふつう「元首政」と訳され,オクタヴィアヌスによって確立されたプリンケプス(元首)による政治体制。前27年オクタヴィアヌスは共和政の秩序の回復と任務の終了を理由に,これまで保有していた例外的な大権を元老院と民会に返還することを提案し,属州を元老院属州と元首の属州に分けて統治することになり事実上軍隊命令権を得,アウグストゥスの尊称を与えられた。前23年終身の護民官職権・前執政官命令権などを得るが,官職には就任しないで命令権・職権のみを保有した。しかも共和政の伝統を尊重して元老院・民会・政務官を存続させ,命令権・職権をこれらの共和政の機関を通じて合法的に取得し,権威 auctoritas において何者にも優越する第一の市民 princeps(元首)と称した。このオクタヴィアヌスによって始められた政治体制をプリンキパトゥス(元首政)という。その後元首の権限・特権は後継者に一括して元老院・民会から与えられる形式がとられた。