●フランチェスカ
ヨーロッパ イタリア共和国 AD1410 両シチリア王国
1410代〜92 イタリアの片田舎に生まれ,早くからフィレンツェに出てドメニコ=ヴェネツィアーノ(1461没)の助手となり,光の表現法・写実技法・量体表現・透視図法を修得した。晩年に透視図法や幾何学に関する著作も遺すほどの高い知性の持主であった。「キリストの洗礼」や「キリストの復活」(53歳ごろ)などでは,彼の優れた比例感覚から割り出された空間と量体の秩序や,光の滲みわたった美しい色彩効果が,清朗・明晰そしてゆとりのある画面をつくっている。代表作には中部イタリアの都市アレッツォの聖フランチェスコ寺院の内陣を飾る壁画連作「聖十字架の伝説」がある。なかでも「聖木に礼拝するシバの女王」は15世紀イタリア絵画の白眉といえよう。彼はリミニやフェラーラでも活躍し,これら諸地方の画派の形成に大きな影響を与えた。15世紀末,ローマからウンブリア・マルケ地方にかけて彼の弟子たちが活躍した。