●船祝い ふないわい
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漁村などで正月に行われる船霊の祭り。正月2日に行うところが多いが11日などにも行われ,乗り初(ぞ)め・船祭り・船霊祝いなどとも呼んだ。この日は船に上って船霊を祀ってあるツツとかモリなどと呼ばれる柱の前に供え物をして,一年の海上安全と大漁を祈る。船を沖に漕ぎ出し漁業祈願対象の社寺などに参拝したり,船頭と乗子の間で掛け声と動作によって操船の模擬的演技を行うところもあった。釣漁の村では魚釣りの模倣,鯨漁の盛んな村は鯨突きのまね・鯨突き踊り,網漁の村では網漁の模倣を行うところもあった。餅などを撒くのも造船儀礼に似る。網元や船主宅で宴会が催され,乗組員の契約や一年の役割分担が行われた。伊豆内浦の津元で,このときに供される粥をクビククリ粥と呼んだのも契約固めを象徴的に意味したものである。幕府諸大名の御用船の船祝いで唄われた御船唄が各地に残り,中世歌謡の面影を伝えている。