●風土記 ふどき
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奈良時代の官撰国別地誌。各郡郷里ごとに地名伝説を記し,また,郷土の産物,土地の肥痩郡家駅家,里程なども記す。713年(和銅6)畿内及び諸国に制して各郡郷に好字をつけ,郡内の銀銅彩色・動植物の色目・地名の由来・古老の旧聞などを言上させた。古風土記撰進の所以と言われる。現存諸本のうち出雲風土記が完本,播磨・常陸は大部分が残り,肥前・豊後については一部が残る。他は諸書に引用され逸文として伝わっている。播磨は715年以前,常陸は養老中の成立と考えされる。出雲は733年の撰,いずれも地方民間伝承の古形態をよく伝え,古代地方史・神話伝説・古代文学・国語学等研究に貴重な資料であり,今日これらを考証的に読むことは古代を旅する興趣がある。風土記の呼称は古くて新しいネーミングである。江戸時代に多くの地誌が風土記の名を冠し,今日の出版物もまた多くこの名を用いて人々の史想を誘惑している。