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●仏国記 ぶっこくき

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 中国東晋の僧法顕の旅行記。『法顕伝』,『歴遊天竺記伝』とも題される。法顕は,俗姓キョウ※注1※。平陽府武陽の人。3歳で沙弥となり20歳で受戒した。中国に欠けていた律蔵を求めて,60歳を超える高齢を押して同志11人と長安を399年(隆安3)に出発。タクラマカン砂漠の諸国を経てパミールを越えガンジス流域の仏跡を巡り,マガダ国天王寺で『摩訶僧祇律』などを得た。すでに同志と離別し単独でセイロンに渡り,南海を通って山東半島に漂着し,413年(義煕9)に建康に至った。この旅での見聞を簡潔な文体で1巻にまとめたのが『仏国記』である。本文中の〈沙河中,多く悪鬼熱風あり,遇えば則ち皆死す。一も全き者なし。上に飛鳥なく,下に走獣なく,遍望極目,度る処を求めんと欲して則ち擬する所を知るなし。ただ死人の枯骨を以て標識となすのみ〉という箇所は古来有名である。現存する西域求法記録のなかで最も古く,中央アジア史・インド南海史にも貴重な史料。レミュザの仏訳(1836,道光16)のほか,英訳三種,足立喜六の訳注(1936,民国25),長沢和俊の訳注(1971,民国60)がある。

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