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●符牒 ふちょう

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 商人が使う数の隠語のことで「符帳」とも書く。江戸時代以来の商業では掛け値が多かったこともあり,値段を決め,取引きをする場合符牒を用いることが多かった。しかし値段を明示する定価主義が浸透するなかでほとんど姿を消し,現在では青物市場や取引所など限られた分野でのみ使用されている。符牒は各商家や商業の種類によってさまざまであった。例えば大阪の天満青物市場では市場の土地が天神の氏地であったため,菅公(菅原道真)が愛したとされる樹木に因んで「ムメサクラマツタケ」の語に1から9までの数字をあてた。つまりム=1,メ=2ということになるからムメといえば12を意味するわけである。他にも「イロハニホヘトチリ」といった平凡なものもあれば,「サリトハオモシロイ」とか「正如弥卯雨神星月菊」と月々の異名を使ったり多様であった。態様から口唱符牒・文字符牒・手ぶり符牒の三種類に分けることもできる。