●部族宗教 ぶぞくしゅうきょう
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部族社会によって生きられる宗教。宗教の歴史的発展段階を見る立場から,原則として,民族や国家社会が成立する以前の社会内の諸機能が未分化・未発達の段階における社会の宗教とされ,通常原始宗教と同一視される。ヨアヒム=ヴァッハによれば,この段階ではその伝播は部族内に限られその発生はむしろ自然発生的であり,宗教は出生と婚姻による親族組織や,親族・氏族の統合である部族の秩序あるいは社会の構造と一体であり,族長が同時に祭司であることが多い。教義の体系化は少なく神観念は流動的であり,信仰は神話と儀礼によって表現される。生活は季節の周期のなかでの集団的生産活動にまつわる儀礼と,個人の部族内の地位役割にまつわる人生儀礼を中心にしており,生活のすべての側面が神々の始源における行為にその起源をもちすべてが宗教的意味をもっている。またアニミスティックなもの,シャーマニスティックな表現を多く含む。部族間の政治的統合によって国家が成立しても部族宗教のさまざまな要素は継承され,後々まで大きな影響を与えるのが通常である。