●賦役黄冊 ふえきこうさつ
アジア 中華人民共和国 AD
中国,明代の戸籍簿と租税台帳とをかねた台帳。単に黄冊ともいう。明の太祖は1381年(洪武14),全国に賦役黄冊を編造させ,編造の単位として里甲を定めた。村落行政制度である里甲制は黄冊の編造によって成立した。黄冊は里内の各戸の戸籍,丁口数,田土山塘の数および科則,税糧の数,建物,財産を列記してつくった。里冊のはじめには里内の地図をつけた。この冊を所轄の州県に送り,州県はこれをもとに州県冊をつくり,一部を府へ送る。府はこれによって府冊をつくって市政使司へ送り,市政使司はこれをもとに司冊をつくって戸部へ送る。戸部はこれをもとに全国総冊をつくった。司冊には黄色の表紙を用いたので黄冊の名が生じたという。黄冊は10年ごとに編造されたが,明末になると一条鞭法(条鞭とも略す)施行の影響などもあり,前回のものを書きうつす形式的なものになった。〔参考文献〕韋慶遠『明代黄冊制度』1961,中華書局