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●フィルドゥーシー

アジア イラン・イスラム共和国 AD934 

 934〜1025 イラン東北部のトゥースの地主の家に生まれた民族叙事詩人。10世紀中ごろに著された散文・韻文によるイラン建国の歴史資料を集め,ほぼ5万5,000対句を用いて大民族叙事詩『王書』を著した。この書はイラン古来の神話,伝説,イスラーム以前の歴史の集大成で1010年に完成してガズニ朝のスルタン,マフムード(在位998〜1030)に献じられたが,熱烈なイスラーム教徒であったトルコ系の君主の意に添わず,応分の報酬を得ることができなかった。30年という年月をこの書の為に費した詩人は失意のなかに世を去ったが,アラビア語彙をあまり用いず,素朴なペルシア語の表現と力強いリズムで詠ったこの作品は,イラン人の精神的なよりどころとして愛され続けている。フィルドゥーシィーの名を冠した大通り,広場,建築物や詩人の銅像はイラン各地に残されており,生地トゥースには『王書』の詩句を刻んだ大理石の壮麗な廟が建立されている。