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●フィルマー

ヨーロッパ 英国 AD1589 チューダー朝

 1589ころ〜1653 イギリスの政治思想家。王権神授説によって絶対王政を擁護した。ケント州イースト=サットン出身,ケンブリッジ大学卒。王堂派としての思想活動がチャールズ1世に認められナイトに叙せられた。ピューリタン革命が始まると一時投獄され,家財はたびたび略奪されたという。『絶対王権の必要』(1648)『統治起原論』(1652)などの著述があるが,死後発刊された『パトリアーカ(父権論)』(1680)が王権神授説の代表的著作として有名。本書では,絶対王権の由来をホッブズのように社会契約に求めることに反対し,『旧約聖書』の神の行為・ことばを引用して,神がアダムに与えた家族・子孫への絶対的支配権は家父長により相続されていくものであって,人民に対する絶対的支配権としての王権もこのアダムの父権に起源をもつとし,人為によって王権をくつがえすことはできないと主張した。のちにロックが『統治二論』第1編で聖書の内容をつぶさに吟味しつつこの説を論破した。