●フィダーイー
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“献身者”を意味するアラビア語で,一般には〈宗教・政治的目的のために一身を犠牲に捧げる熱狂的な献身者〉の意味に用いられる。歴史上この語が名高くなったのはイスラーム=イスマーイール派の一派で暗殺教団の名で知られるニザール派においてである。教主に絶体的な忠誠を誓った同派の下部組織構成員はフィダーイーと呼ばれ,同派が敵対者を倒すために用いた暗殺手段の任務に従事した。彼らは同派から殉教者として英雄視された。“短刀で刺す者”との異名でも知られ,隠しもった短剣や小刀で公然と身を挺して相手を倒し,ほとんどすべてがその場で殺害された。現在でもパレスチナ=ゲリラはみずからをフィダーイーと呼んでいる。イランでは1943年から極右秘密組織としてイスラーム=フィダーイー=グループが暗躍し,いく人かの要人を倒した。1971年には同国で人民フィダーイーという左翼グループが結成され,1979年のイラン革命に活躍したが,現在では非合法化された。