●ファン=アイク兄弟 ファン=アイクきょうだい
AD1370
14,5世紀に活躍したフランドルの兄弟画家。当時の人々は富を誇示する華麗な装飾性を追求し,建築にも彫刻にも絵画性が求められ,空間の奥行や物体の量感などの驚くべき現実感を描き出すため,油絵の技法を急速に発展させた。ファン=アイク兄弟が油絵を発明したのではなくとも,その真価を正しく,しかも高度に発揮させた最初の画家であったことは確かである。このころのフランドルは板絵による祭壇画の黄金時代で,最初の最優秀作品が,この兄弟の手になるガンの聖バヴォン教会の祭壇画『神秘の仔羊』(1432完成)であった。銘文によれば兄のフーベルトが着手し,弟のヤンが完成したとある。このほか1434年作のヤンの『アルノルフィーニ夫妻像』も有名だが,兄についてはよく知られていない。しかしこの兄弟の功績は絵画を建築から解放し,写実主義を導入し新時代を拓いたことである。