●ファルス
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イスラーム世界の銅貨,青銅貨。ビザンツ銅貨フォッリスを語源とする。8世紀のエジプトでは9〜36ハッルーバの重量を示すファルス用グラスウェイトがつくられたが,一般的にはファルスは寸法・重量にかかわりなく数で取引された。鋳造者が総督や地方の財務長などであったため,鋳造地の数も多く,最初期で12,ウマイヤ朝期で53,アッバース朝期で83の鋳造地名が知られている。初期にはビザンツ銅貨やサーサーン銅貨の模倣であるアラブ=ビザンツ銅貨,アラブ=サーサーン銅貨,ビザンツ=パフラヴィ銅貨が鋳造されたが,7世紀末のアブド・アル=マリクの貨幣改革以降,アラビア文字による銘文のみを刻んだファルスが主流となった。9世紀から12世紀にかけて,ファルスは鋳造されなくなるが,その後,再び流通した。なお,金・銀貨との換算率は144または288ファルスが1ディーナール(金貨),24または48ファルスが1ディルハム(銀貨)であった。