●不安 ふあん
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明確な対象のない漠然とした未分化な怖れの感情。明確な対象のある怖れの感情は,恐怖として区別される。不安はまた,環境に適応できない破局的状況に置かれた有機体の主観的経験として定義されることもある。不安は必ず,動悸・発汗・瞳孔散大などの全身的な自律神経症状を伴う。不安は,心理的現象としては不可避なもので,危険に対する信号として有用でもある。精神分析学では,不安が客観的な原因をもち危険信号として機能する場合には,現実不安と呼ぶが,不安が過度になり場面にそぐわず反復されるようになると病的不安と呼ぶ。不安と神経症との関係を明確にしたのはフロイトであり,病的な心理現象は,不安を回避するためになされる過剰な防衛機制に由来すると説明している。また,不安には,意識や行動に現れる顕在性の不安と,意識されない潜在性の不安とがある。