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●ファトワー

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 スンナ派のイスラーム法学者であるムフティーが出す法的意見書,勧告。シーア派では,最高指導者であるマルジャエ=タクリードが発する教令の意となる。スンナ派では10世紀後半以降。コーランとハディース(伝承)にもとづいて演繹から法規を引き出す行為,いわゆるイジュティハードが禁止され,ヨーロッパ的な法の観念に従えば立法行為のない先例墨守の時代に入った。しかし,現実には社会的生活において生起するさまざまな問題に対して法的な解決を与えていかなければならず,その際,判断のよりどころとして学識ある法学者であるムフティーの意見を求め,それを参考にして問題の解決をはかった。たとえば,犯罪を裁くとき,量刑の規定がコーラン,ハディースに明示されていない場合に妥当な判断をファトワーでもって裁判官は示してもらったのである。ファトワーは,以上のような純粋に司法の分野ばかりでなく,国家の統治の面にも及び,イスラーム社会に秩序を与える大きな力となった。