●ファイ
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アラビア語で「戦利品」を意味する。ウマイヤ朝のウマル2世(在位717〜720)以前において,ファイという言葉には動産−−捕虜・武器・乗用馬,敵が所有していた一切の物と不動産−−征服された土地の両方の意味がこめられており,動産であろうと不動産であろうと戦利品は等しく戦争に参加した者に分配されるのが,イスラーム社会の慣わしであった。分配率は預言者ムハンマドないしはカリフが5分の1をとり,残りは平等に分けるというものであった。ところがウマル2世の時代になって戦利品の概念が意図的に二分される。それは,分配される動産としての戦利品と分配されることのない不動産としての戦利品というもので,前者をガニーマと呼び,後者を従来どおりファイと呼んだ。こうした区別がされるようになった背景には,すべての土地は,分配され私有されることのない国有地とすることによって,合法的にムスリムであろうとなかろうと,地代としての税を徴収していこうとする,ウマイヤ朝政府の思惑がひめられていたのである。