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●貧乏神 びんぼうがみ

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 世間で,人を貧乏にさせると信じられている神。近世の小咄や落語にも現れ,戯画化されている。昔話のなかにも,貧乏神の話が,おおよそ二つの型で語られている。一つの型は,貧乏神がつきまとう話である。あまりの貧乏がいやになった夫婦が家出の相談をしていると,貧乏神も一緒についていくという。家出をやめて一生懸命働くと貧乏神も退散する。もう一つの型は,貧乏神が福をもたらす話である。正月の餅もつけないと嘆いていると,貧乏神が出てきて,大歳の夜に殿様のかごになぐりこめと教える。実行して小判を手に入れる話と,失敗して貧乏神をつかまえる話とがある。一般に“まれ人”をもてなしたために,福を得たという話は多い。また,厄神を歓待したために,その一家が災から逃れたとか,厄除けの書き物をもらったという伝承も各地でみられる。こうした貧乏神や厄神を歓待して福を得るというとらえ方は,日本人の神観念の一つの現れといえよう。