●檳榔樹 びんろうじゅ
AD
ビンロウ,ビンロウジ,ビンロウジュともいうが,学名 Areca cathechu Linne から“アレカヤシ”とも呼ばれる。しかし,観葉植物として知られるアレカヤシは別物なので,この名前は適当でない。高さ20mにもなる竹に似た,インド,マレー,ポリネシア原産のヤシの1種で,雄花は放射状にのびる花梗(かこう)の先端に,雌花は基部につく。果実は直径5cmくらいの卵形で,なかに“ベテルナッツ”または“アレカナッツ”と呼ばれる核がある。東南アジアからオセアニアの住民たちは,タバコのかわりとして,紀元前からこのベテルナッツを愛用してきた。利用法は,核を四つに割り,貝殻でつくった石灰粉と葉タバコ少量を混ぜ,キンマの葉に包んで噛る。口はまっ赤になり,血のようなつばをはく。味は渋くて辛く,ドクダミ臭がある。ベテルナッツには“アレコリン”を主とする5種のアルカロイドを含み,食物の量を減らす働きをもっているので,昔から貧しい人々のあいだに広く愛用されてきた。咬噛(こうし)料のほかに,薬用・染料としても利用される。
![]()