●火渡り ひわたり
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日本では,修験道の行者が,山岳修行などによって体得した超自然力(験力)を示す験術の一種として,火渡りが行われる。屋外で柴灯護摩を焚き,そのあとでオキや焼木の上を,呪文や経文を唱えつつ歩いて渡る。正式には,火生三昧耶法といい,護身法によって自己を清浄にしたのち,本尊の不動明王と合体したと観じ,自らが火を統御しうる存在となって火を渡る。火渡りは,修験者が不動明王の力を体得したことを民衆に納得させて,諸霊を操作しうることを示すとともに,自らの験力を,公の場で明らかにするのである。このことによって,修験者は,民衆の支持を得,加持祈祷などの行為によって,現世での不安・悩みの除去につとめた。信者もまた,修験者や行者につづいて,火を渡るが,けっして火傷はしないと信じられ,けがれを祓い,無病息災を祈願する。火渡りは,スリランカ,インドなどのヒンドゥー教信者のあいだでも,神への信愛(バクティ)を意図した苦行として行われている。
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