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●琵琶記 びわき

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 中国南方の楽曲を基調とする演劇,南戯南曲ともいう)の戯曲で43齣(せき,幕とか場のこと)からなる長篇。作者の高則誠は元末明初の戯曲作家で,1345年(至正5),科挙に合格した読書人。後漢のサイヨウ※注1※が,老父母と新婚まもない妻趙五娘を故郷に残し科挙受験のため都に赴く。サイヨウ※注1※は首尾よく1番で及第した。才を見込んだ牛宰相から婿入りを強く迫られ,再三辞退したがついに勅命によりやむなく婿となる。都で牛氏との華美な生活と留守家族の悲惨な日々とを対比しつつ,筋がすすめられる。飢饉の郷里では趙五娘は両親に米飯を食べさせ,自らは糠を食べ孝養をつくしたが親は死ぬ。趙五娘は自ら土を運んで墳を築く苦労を重ねたあと,琵琶を弾じつつ夫をたずねて都に上る。夫にめぐり会った五娘は夫の不孝を責める。牛氏のはからいで五娘は正夫人におさまり,一夫二妻で故郷の父母の墓にもうで冥福を祈る。そこへ聖旨がとどき,忠をまっとうし孝をまっとうしたことでサイヨウ※注1※はじめ一門が徳行を賞され,めでたく終わる。元が滅んだのち,明の太祖は封建道徳を高唱するものとして推奨した。1956年ごろ中国での琵琶記論争では,貧富の差を描き知識階級の批判をしていると肯定説が多かった。

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