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●拾い親 ひろいおや

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 道親とか行き合い親と呼ぶ地方もある。拾ってもらう子は捨子という。呪術的な擬制的親子関係の一種であり,民俗学では仮り親慣行とも称した。実親が健在であるのに,幼児の順調な生長を願ってほかの大人とのあいだにあたかも実の親子のような関係をとり結ぶのである。すなわち,上の子が丈夫に育たなかったり,本人が病弱であったり,両親のいずれかが厄年の歳に生まれた子があると,その子を家の前,四辻,道祖神の前,橋の下などに捨て,通りがかりの人かあらかじめ頼んでおいた人に拾ってもらい親子関係を結ぶ。男の大厄である42歳のときに,2歳になった子を捨てる“四十二の二つ子”は有名である。依頼する相手としては,子供を丈夫に育てた人,病気をしたことのない人,裕福な人,あるいは僧侶といった例もある。捨てるときは菅笠・蓑笠・あらいなどの上に幼児を乗せるのが普通であり,拾い手のほうでは箕と箒で掃き込む所作が慣習化されている地方もあった。実の親は拾い親に謝礼をして子供をひきとるが,拾い親が子供に命名することによって名付け親を兼ねるものもある。拾い親と捨子は生涯にわたって親密な交際がつづけられるが,とくに盆暮の贈答は欠かせなかった。