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●肥沃な三日月地帯 ひよくなみかづきちたい

アジア アジア AD 

 アメリカのオリエント学者ブレステッド(1865〜1935)が,古代オリエント文明発祥の地をさして称したもの。オリエントの大部分は乾燥地帯で,不毛の砂漠や草原がひろがっている。ただペルシア湾からティグリス・ユーフラテス両河流域のメソポタミア,地中海東岸のシリア,パレスチナをへて,エジプトのナイル川流域にいたる細長い半月地帯は,水と肥沃な土壌に恵まれ,前4,000年には,その東端と西端で世界最古の都市文明が成立した。しかしその後,アメリカの考古学者ブレイドウッドは,西アジアにはハラフ期(前4500年ごろ)までに,すでに文化的にひとつながりの地域があったと主張した。彼の説によれば,農耕文明の発祥地は平原より丘陵下部で,メソポタミア平原を3方から取り囲むザグロス・アルメニア・レバノン山地の山麓地帯こそが,真に肥沃な三日月地帯の名に値するものだという。