●百日咳 ひゃくにちぜき
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百日咳には多様な方言がある。セキシャブリ・シーリセキ,古語を伝えるクツメキ・クチムキ,またトリシャブキ・トリセキ・ニワトリカゼなどトリのついたものが多い。これは苦しげな咳の音が,鶏の鳴き声に類似することによるのであろうが,その予防や回復を願い鶏の絵を逆さに張ったり,神仏に奉納する習慣が各地にみられることも無関係ではない。東北各県では荷渡(にわたり)神社・鶏権現と呼ぶ神社や小祠が,百日咳を治すものとして信仰されている。関東・中部地方では咳神・シワブキ婆さん・姥石のほか,百日咳平癒の祈願がなされる神仏や小祠は数多い。また,しゃもじに「クツメキ無用」などと書いて門口に張ったり,患者の手形を押した紙を門口に張る。また南天の木で小さな杵や槌をつくり腰に下げたり,白南天の実を煎じて飲むなど治療法は多様であった。なお百日咳の民間療法には,夜泣きや麻疹など小児の他の病気の療法に共通するものが多い。