●火の使用 ひのしよう
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火の発見と使用が人類文化の出発点において,道具やことばの使用と並んで重要な要素であったことは疑いがない。日本では,すでに1万数千年前の旧石器時代の炉跡が,静岡県愛鷹山麓などで発見され,縄文時代には土器の焼成が盛んに行われた。弥生時代の遺物には,発火具の火きり臼や杵が発掘されている。生活のなかの火の使用は,焼畑などでの利用のほか,屋内では炉を中心に行われた。炉は暖をとり食物の煮炊きに用いられ,あかりの役割も果たした。時代が下って囲炉裏を囲む民家の暮しでも基本的には,囲炉裏が暖房・煮炊・照明の3要素を果たしてきたが,竈が分かれ,照明器具が発達して,火の使用は機能分化していく傾向が長い歴史のなかにうかがわれる。また薪に始まり石油・ガス・電気と変化する燃料の改革とも関連しながら,火の使用は直火から間接的なものへと変化する傾向もみられる。これは火事や煙害を防ぎ,熱や光の効果を高め,継続的・安定的燃焼を可能にするためなどの理由による。