●人返し ひとがえし
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飢饉・厳しい収奪のために流亡した農民を,その本来の農村に帰村させて土地に縛りつける政策。著名なものに寛政改革の際の旧里帰農奨励令と,これを強化した天保改革のときの人返し令がある。これらは年貢増徴をねらう封建的土地所有の再建強化にある。前者は,江戸の人口過大による需給の不安定や打ちこわしの素因となるものを除き,かつ農業人口の確保をめざすものだが,強制力をもたなかったため,成果はあまりあがらなかった。後者は人別改めを伴いつつ実施された。農村の者が江戸に移住することを禁止し,江戸に住む者でも永年住み,営業をし,妻子をもつ者のほかは帰郷させることにした。奉公出稼ぎについては,村役人を通じて領主・代官の免許状を取るようにさせ,期限がくれば必ず帰郷させる。そのほか僧侶・神主・諸国巡礼などになるものは厳しく取り締まった。これは強制力を伴っていたが,水野忠邦が失脚したため効果は一時的だった。