●ヒダル神 ヒダルがみ
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人を飢餓におとしいれると信じられている悪霊。山のなかなどを歩いていると,不意にはげしい飢餓感におそわれて,一歩も進めなくなってしまうことがある。このような状態を,民間信仰ではヒダル神にとりつかれたと表現する。おもに西日本各地にこの伝承があり,ダリ・ダリガミ・ダリボトケ・ダラシ・ジキトリ・フチカリ・ヒムシ・ヒモジイサマなどさまざまな名で呼ばれている。これにつかれそうな場所は,人家からはずれた山の峠道の近辺など,ほぼ定まっていることが多かった。この現象は,かつてその場所で餓死したものがあり,その霊がとどまって人をなやますなどと説明することがあるように,山の峠道は各種の悪霊・妖怪があつまりやすい場所だったのである。またヒダル神につかれたときは,一口でよいから食べ物を食べればなおるとされており,山仕事などで山中で弁当をつかうときにも,あらかじめすこし残しておくとよいといわれる。