●常陸国風土記 ひたちのくにふどき
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713年(和銅6)の勅命をうけて撰進した風土記の一つである。成立年代は,いまだ記載に里制をとっているので,郷里制施行の715年(霊亀1)前後と考えられている。筆録者は,この風土記が『文選』などの文章にならい,四六駢儷体を駆使したものである点や,筑波山のカガイ※注1※会の歌に深い関心をよせる,などからみて,719年(養老3)ごろ常陸国司に任ぜられた藤原宇合やその配下の万葉歌人・高橋虫麻呂などが擬せられている。この風土記は,巻首と行方(なめかた)郡は完全であるが,新治・筑波・信太(しだ)・茨城・香島・那賀(なか)・久慈・多珂の8郡は各所で省略され,白壁・河内の2郡にはまったく触れていない。だが,行方郡の箭括氏の麻多智が夜刀(やと)の神を駆逐(はら)いで土地を開墾した物語や,泉に強い関心を示すなど,新しく土地を開く人々の生活が如実に示されていて面白い。また筑波や香島郡の童子女(うない)の原のカガイ※注1※歌など当時の信仰や祭りの様子が伝えられている。〔参考文献〕栗田寛・後藤蔵四郎補注『標註風土記常陸』
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