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●飛騨 ひだ

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 現在の岐阜県大野・吉城・益田の3郡の地域にあたる旧国名。東山道8カ国の一つ。西は加賀・越前・美濃,南も美濃・信濃,東も信濃,北は越中に囲まれた内陸国。先土器時代の遺跡に,山間部の住居趾池ケ洞遺跡がある。縄文時代遺跡も山間・山麓郡に多く,竪穴式住居のある村山遺跡などがある。弥生時代に入ると赤保木などのように平野部で水稲栽培の遺跡が現れる。古墳は光泉寺などにあるが美濃に比べて少ない。大化改新によって1国となった。はじめ大野・吉城の2郡,のち870年(貞観12)益田を加えて3郡となった。国府は吉城郡国府村,国分寺は大野郡(高山市総和町)に置かれた。9世紀以後東大寺などの荘園が増加したが,国司姉小路氏の勢力も長くつづいた。鎌倉時代の守護は不詳,南北朝・室町時代に入ると佐々木・総・京極氏が守護となり世襲した。重文高山市の国分寺本堂(川上郷から移築)は室町時代の建立。豊臣秀吉は金森長近を高山に封じ,金森氏は1692年(元禄5)まで飛騨を治めた。高山陣屋跡は,はじめ金森藩の下屋敷であったもの。江戸時代は天領となり,幕府は高山陣屋に郡代を置いた。廃藩置県後高山県,筑摩県をへて1876年(明治9)岐阜県に合併され今日にいたっている。

〔参考文献〕中野効四郎『岐阜県の歴史』1970,山川出版社

吉田東伍『北国・東国』大日本地名辞書,1971,冨山房