●非戦論 ひせんろん
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戦争を否定し,戦争を行わないとする論。日露戦争(1904〜05)にいたる過程で,主戦論に反対して「万朝報」を中心として幸徳秋水・堺利彦・内村鑑三が非戦論を主張した。キリスト者内村鑑三は〈余は日露非開戦論者であるばかりでない。戦争絶対廃止論者である〉とのべ,戦争は人を殺すことであり,そして人を殺すことは大罪悪であると世のなかに訴えている。しかし「万朝報」主筆黒岩涙香が主戦論に転じたため,前記3人は脱退し,平民社をつくり,週刊「平民新聞」を発刊して,反戦,戦時増税反対論を展開した。そして『嗚呼増税』を出し,ただちに発禁処分をうけている。内村鑑三は雑誌「聖書の研究」によって戦争を否定し,木下尚江は平民社に属し『火の柱』『良人の告白』などの非戦小説を書いている。この二人の非戦論は,一部の人にしか影響を与えていないが,それでも野心ある政治家,功名にはやる軍人,狡滑な新聞人に対しては鋭い告発となっている。
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