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●聖 ひじり

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 本来日知りの意で農耕儀礼に伴う太陽祭祀の司祭者とか呪術者をさしている。のち仏教が入ると聖の字をあてひじりと読み,学・徳優れた高僧ということになった。平安時代中期ごろ新たにおこった往生思想にもとづく信仰をひろめる僧侶を聖と呼ぶようになり,正規の寺院から離れて遍歴の修行者や深山幽谷に住んで庵を結んで勤行につとめる僧をさす名称となった。

 聖とか上人という名で呼ぶことが一般化している。実在の人としては「阿弥陀聖」とか「市聖」と呼ばれた空也上人(903〜972)などがいる。その修行処により,西谷聖とか大峰聖というように呼ばれた例もある。しかし修行聖は,一寺に定着せず行脚修行する存在であった。寺院内部では学侶に対立する立場の行人,禅徒の性格に通ずる。僧と区別して遁世者とか遁世の聖と呼ばれたり,別所にあるので別所聖という。洛外の大原や高野の別所はその一例である。売僧は聖の下俗化したものの一つである。