●髭 ひげ
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イスラーム社会においてひげは男性の威厳のシンボルと考えられている。ひげには口ひげとあごひげがあるが後者のほうが宗教的にみて重視される。ハディースに〈多神教徒と反対のことをせよ,かくて君のあごひげを長く伸ばしなさい〉とある。預言者ムハンマド自身もあごひげを長く伸ばしけっして短く切ったり刈ったりはしなかった。また彼に先行するすべての預言者たちもあごひげをたくわえていたという。そのようなわけでムスリムはしばしば自分のあごひげにかけて誓いを立てた。またイスラーム社会にはあごひげを剃り落とす刑罰もあった。あごひげは周囲から人生の先輩として認められるほどの年にならないと生やさないし,トルコではメッカ巡礼を終えたものだけに限られるという時期もあった。それで少年や召使などがあごひげをたくわえると物笑いの種になることもある(イスラーム原理主義者は若くてもたくわえる)。一般に16歳前後になると少年はもはや子供ではないとの自己主張から口ひげをたくわえる。口ひげは宦官や男色者と間違えられないためにも不可欠なものと考えられている。預言者の身だしなみに従えば口ひげは上下唇にかからない程度に刈り入れておくこと,またひげを染めることは預言者の慣行として不法でないとされている。