50音順    検 索

●ヒクソス

アフリカ エジプト・アラブ共和国 AD 

 中王国末期の混乱に乗じてデルタ地方に侵入し,第15,16王朝をたてたアジア系遊牧民の総称,語義は「外国(人)の支配者」。前18世紀ごろ北方からオリエントを襲ったインド・ヨーロッパ=フルリの大民族移動の余波が,シリア・パレスチナをへてセム系諸部族を巻き込みながらエジプトに達したものと思われる。前18世紀末から前16世紀初まで約2世紀エジプトを支配したが,その勢力はデルタを主とし,南(上)エジプトには及ばなかった。また後世いわれるような暴政ではなく,エジプト人との関係も平和的で,これと友好的な領主も多く,新王国が再統一に時間を要したのもこれら親ヒクソス領主を再征服するためだったからである。テーベの指導するエジプト軍に首都アワリスを囲まれ,協定により平和裡にパレスチナに退去した。イスラエル人は彼らの侵入とともにエジプトに入ったとの説もある。馬と戦車をもたらしたのもヒクソスだった。