50音順    検 索

●比較研究法 ひかくけんきゅうほう

AD 

 太初に比較ありきといわれているほどに,比較することは,人間の精神活動に生まれつき備わっている普遍的な働きである。比較こそ認識の出発点といえる。この認識方法を科学的な研究法に高めたものが比較研究法といえる。この研究法は,実験科学の対象とならない領域,すなわち主として社会科学の分野において発展してきた。コントやデュルケームは,比較を社会科学の基本的研究方法と考えており,比較は間接的実験であり,物理学や生物学において実験的方法がもっていると同じ役割を果たすと考えていたのである。比較は,表象的な事実の観察,および分析を通してその事実間に存在する同一性・相似性,および異質性の探求であり,そこに横たわる社会現象の法則性を発見するための知的な方法である。今日,この研究法は多くの分野において用いられているが,その科学性を高めるための努力が,今後さらになされる必要があろう。