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●万民法 ばんみんほう

ヨーロッパ ヨーロッパ AD 

 ローマ法的用法としては,本来のローマ市民に適用される「市民法」に対して,外人に適用される法規範をいう。市民法はローマの同盟者にも準用され,商取引や相互結婚などの権利が認められていた。しかし共和政時代にローマの地中海世界の征服が進み,諸民族間の商業取引や交流が盛んになるにつけ,訴訟者の一方または双方が外人である場合,いかなる原則で判決すべきかという問題が生じてきた。そこで前240年ごろから外人係法務官の権限が強化され,万民法の概念もキケロ時代に確立・受容された。その内容はほとんど契約上の法律で,諸民族が通商上守っていた一般的な慣習を含んだものだった。帝政時代になり,212年に全自由民に市民権が賦与されると,万民法がむしろ市民法に代わってローマ法の実体をなし,同時にギリシア学説の影響を受けて,「自然法」と同一視されるにいたった。