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●パンパ Pampas

南アメリカ アルゼンチン共和国 AD 

 アルゼンチン東部,ブエノスアイレスを中心とする半径500〜600kmの扇形をなす平坦な草原。語源はケチュア語で木のない平原を意味し,同じ南アメリカのグランチャコ・リャノと比べて樹木は少ない。東は大西洋,パラナ川およびラプラタ川に,北はグランチャコ,西はパンパ山地とアンデスの前山,南はコロラド川に限られる。面積約60万平方kmでアルゼンチン総面積の5分の1を占める。内陸部ほど乾燥度が高く,バイアブランカ付近より北方のコルドバ西方へいたる年降水量550mmの線を境に,東部の湿潤パンパと西部の乾燥パンパとに分けられる。湿潤パンパはブエノスアイレス南西の丘陵地をのぞくと高度150m以下の波状平原で,西部山岳地帯より風で運ばれた肥沃なパンパロームが厚く堆積している。牧畜が盛んで,飼料としてのとうもろこしや牧草のアルファルファが栽培されアルゼンチンの牧牛の3分の2,羊の2分の1が集中している。また豚もとうもろこしの分布と一致し,3分の2以上が飼育されている。牛肉は重要な輸出品である。南アメリカ最大の混合農業地域で,アルゼンチンの鉄道の90%,人口の70%が集中し,道路も鉄道同様,ブエノスアイレスより放射状に伸び,同国経済活動の中心である。乾燥パンパへの漸移帯では,小麦栽培が行われ,ヨーロッパへ輸出される。このため牧羊は中心をパタゴニアへ追いやられた。乾燥パンパは土壌も砂礫質で,塩類の堆積地帯もあり,農業には適さない。