●バンテン
アジア インドネシア共和国 AD
16世紀中ごろ,西部ジャワに成立したイスラーム教国。スマトラ出身のファラテハーンの子ハッサン=ウディンが建国し,東・中部ジャワのマタラムと並んで発展した。ここはジャワ西北端の港市であったが,イスラーム教国成立後はスマトラ南部を領有し,スンダ海峡の両岸を支配して,ポルトガル船による胡椒貿易で繁栄した。中国の明の商船も来航し,明代の文献である『東西洋考』には下港と記されている。16世紀末には,オランダ船やイギリス船も来航した。とくに,オランダ人は,1619年以後,バンテン支配下のバタビアを開発し,ここに商館を設けて貿易を行った。このため,バンテンはしだいに衰え,1698年には,オランダに貿易独占権をあたえた。国内では内紛もおこり,1809年にはオランダ領に編入された。1888年には,オランダ支配に対して,イスラーム神秘主義教団が中心になって農民が結集し,反乱がおこった。しかし,この農民反乱は鎮圧され,オランダ支配はさらに強化された。この結果,バンテンはさびれて一寒村となってしまった。