●漢中 ハンチョン
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中国の地名。現在の陝西省南部の地をいい,秦嶺山脈と大巴山脈との中間,漢水上流の盆地であり,北は褒斜道で関中に達し,南は金牛道で四川に達する交通の要地で,蜀の桟道の連絡点である。春秋時代より楚の領地であったが,戦国時代に秦が奪い漢中郡を置いた。漢の高祖は,項羽より漢王に封じられ,漢中を根拠地として天下を統一,漢中の漢を国号に定めた。三国時代,荊州から入蜀した劉備は曹操から漢中を奪い蜀漢政権成立の基礎を築いた。このように漢中を確保することは,四川の領有に必要不可欠で,ゆえに古来南北争奪の地となった。漢中の中心都市は南鄭県であり,歴代治所が置かれた。漢中郡は隋では漢川郡,唐では梁州あるいは漢中郡といったが,唐の徳宗のとき,一時興元府と称した。宋では利州路の治所となり,明・清では漢中府と称し,1953年(民国42)漢中市と改称された。現在の漢中市は,甘粛省・四川省・湖北省との交通も発達し,陝西省南部の経済の中心である。