50音順    検 索

●漢口 はんかお

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国,湖北省東部の大都市。武昌・漢陽とともに武漢市を形成し,いわゆる武漢三鎮の一つである。揚子江と漢江の合流地点の北,京広鉄道沿いにあり,昔から商業・交通の要衝であった。夏口ともいい,古くは漢皋(かんこう)といったが,漢口の名は魏晋南北朝時代から散見する。この地は,もともと湿潤な沼沢地で耕作に適せず,武昌や漢陽に比べて,未開地にすぎなかったが,水運四通八達の地であったので,唐以後しだいに発達し,明末・清初にいたって飛躍的に発展し,広東の仏山鎮・江西省の景徳鎮・河南省の朱仙鎮とともに中国四大鎮と呼ばれるようになった。さらに,1858年(咸豊8)アロー号事件後の天津条約によって開港されると,揚子江口から1,000kmの奥地にもかかわらず,夏季には1万t級の船舶が航行できるため,上海につぐ中国第2の貿易港となった。国内的には河南・陝西・貴州その他の諸省と,国外的には日本・イギリス・アメリカと取り引きし,綿花・茶・鉄鉱などが盛んに輸出された。また,張之洞が湖広総督となって鋭意その工業都市化に尽力したので,近代工業地としての基礎が築かれ,広大な背後地と付近の豊富な原料に,交通の至便が加わって中国の心臓ともいうべき重要地となり,東洋のシカゴなる別名をたてまつられるにいたった。行政的には明代以後漢口鎮といい,清代には夏口庁の所在地となり,民国以後県になり,ついで特別市となって,日中事変のときには一時臨時首都となったが,1949年,武昌・漢陽と合併して,現在の武漢市となった。