●パン=イスラーム主義 パン=イスラームしゅぎ
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19世紀後半,イスラーム教国が大同団結して,キリスト教の侵略に対抗しようとした主張と運動。創唱者のジャマール=アッディン=アッアフガーニー(1838/39〜97)は危機克服のために西欧の近代的科学・技術・制度の摂取を提唱し,これに神学上の根拠を与えたのが,エジプトのムハンマド=アブドゥフ(1849〜1905)であった。19世紀末オスマン帝国スルタン,アブデュル=ハミト2世(1842〜1918)は,これの利用を企て,第一次世界大戦に帝国の参戦の際,世界のイスラーム教徒に向けてジハードを宣言したが,反応はほとんどなかった。しかし戦後この主義は,多くの場合貴族・地主・僧職らが,自己の地位強化のため,民族解放運動を逆用するときの標語に堕した。第二次世界大戦後ではパキスタン・エジプト・マレーシア・サウジアラビアなどの各国での動きが,1969年以降のイスラーム諸国会議を実現させ,パン=イスラーム主義に新たな道を開いている。