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●ハレム

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 アラビア語のハリーム(神聖なもの・禁ぜられたもの・奥様)から転じて男子禁断の婦人部屋区域をさす。イスラーム社会における女性分離の根拠は『コーラン』(第33章55・24章引)に求められるが,ハレム制度そのものはビザンツ帝国から受け継いだものである。高貴な女性は家に留まるべきであるという社会通念と結びついてカリフや高官・軍人・上流市民が盛んにハレムを造営した。トルコ,スルタンのハレムの歴史は15世紀に始まったが,それは別棟になった宮殿で通常はスルタンの生母の監督下にあり,多数の官宦や奴隷がこれを守り仕えていた。それは独立した政庁でありしばしば帝国の政治を動かすほどの影響力をもった。このような大がかりなハレムは1909年アブドル=ハミード2世の没落とともに廃止された。ハレムはまた一般の古いアラビア風民家の婦人専用区や駅などの婦人用待合室,汽車の婦人用コンパートメントもさしている。これをトルコ・エジプト・シリアなどではハリムラックとも呼んでいるが,インド・ペルシア・アフガニスタンではズィナーナとか,ハラムガとか,マハッルサライとか,プルダー(インド)などと呼んでいる。